現地法人設立の概要
現地法人設立の概要
1. 進出形態
中国に進出を検討する際、基本的には下記の進出形態があります。
外商投資企業(法人) (1) 独資企業 外国側100%出資
(2) 合弁企業 外国側出資25%以上
(3) 合作企業 合作契約に基づくリスク負担や利益分配
支店 金融機関や航空会社等特定の業種のみ設立が認められる
外国企業常駐代表処(駐在員事務所) 主に本社との連絡業務や現地の情報収集活動に従事し、営業活動を行うことができない。
中国に外国法人或は自然人により出資され、設立された現地法人を外商投資企業と呼び、上記の(1)(2)(3)をあわせて「三資企業」といいます。
2. 進出地域の検討
中国では改革開放政策の一環として、外国資本や技術の導入を目的に、独自の政策を取り入れた経済特区や自由貿易区が設けられてきました。特に自由貿易区については、主に次のメリットが挙げられます。

  • 最低資本金に関する制約が緩和されたこと
  • 人やモノの通関や検疫の手順が簡素化されたこと
  • 投資分野が開放されたこと
現在、11の省で、33の自由貿易区が始動しており、それぞれ特色ある発展戦略を打ち出しています。戦略の違いから、上記のメリットを享受できないところもあれば、上記以外のメリットを享受できるところもあります。通常の地域に設立するか、自由貿易区に設立するか、自社の業務形態や取引のフローなどを踏まえて検討を進めると良いでしょう。
3. 資本金について
中国で現地法人を設立する場合、会社を設立して、安定的に稼働させるために必要なすべての資金を「総投資」といいます。この総投資は、原則、資本金と借入金の合計であり、逆にいうと、総投資から資本金を差し引いた金額が借入最大枠である、といえます。つまり、会社の借入金には、限度額が設けられているということを意味します。
※マクロ・プルーデンス管理方式で借入最大枠を算出する方法(借入残高に通貨や借入期間等のリスク要因を掛け合わせて算出した「加重リスク残高」が、純資産の2倍を超えない)もあります

総投資額=登録資本金+借入枠


外資企業の総投資と資本金の関係規定
総投資額 総投資に占める最低資本金条件
300万US$以下 70%
300万超~1,000万US$以下 50%(ただし総投資額が420万US$以下の場合は最低210万US$の投資額が必要)
1,000万超~3,000万US$以下 40%(ただし総投資額が1,250万US$以下の場合は最低500万US$の投資額が必要)
3,000万US$超~ 1/3以上(ただし総資本額が3,600万US$以下の場合は最低1,200万US$の資本金が必要)

資本金には払込期限に関する規定
総投資額 払込完了期間(※①)
独資法人 合弁・合作
50万US$以下 3年以内全額納付 1年以内
50万超~100万US$以下 1年半以内
100万超~300万US$以下 2年以内
300万超~1,000万US$以下 3年以内
1,000万US$超~ 個別審査
※払込完了期間は、営業許可の取得日から起算します
※設立申請・合弁契約・定款に記載する必要があります
※資本金を分割で払い込む場合、1回目は営業許可取得後90日以内に最低15%以上を払い込む必要があります
4. 出資形態
出資形態は、現金出資以外に、現物出資も可能です。現物出資には、土地使用権、建物、機械設備などの有形資産の他、ノウハウ、特許技術などの無形資産も含まれます。中国の資産評価専門の鑑定士に、価値の評価を依頼することになります。
5. 設立の手順
中国で現地法人を設立する際の手続きは、事前の調査や必要資料準備に時間を要します。設立申請については業種や地域によっても異なりますが、申請必要資料を準備後、申請手続きを開始してから関係機関の初期登記手続きが終了するまで、2~3カ月(特殊認可を除く)を要します。

手続きの順序や内容、届け出先の行政機関、所要日数は、中国全土や省全体で統一されているわけではなく、それぞれの地域や自由貿易区によって若干異なります。また、税務局における手続きや銀行における口座開設において、法定代表者の立会を要求したり、パスポート提示を求めたりする税務局や銀行もあるため、手続きをスムーズに行えるよう、事前にしっかりと確認した上で、スケジュールを立てると良いでしょう。

広州市の一般地域に商社を設立する場合

中国広州市における会社設立スケジュール

深セン市の前海自由貿易区に商社を設立する場合

中国深セン前海自由貿易区における会社設立スケジュール
6. 設立に必要な準備資料及び情報
現地法人の設立で必要となる主な書類や情報は以下の通りです。各地域や自由貿易区により、書類の様式が異なったり、下表以外の書類提出を要求されたりすることもありますので、事前に確認することをおすすめします。また、書類毎に要求される出資法人や現地法人の押印、代表者や役員の署名が異なるため、これらもひとつひとつ慎重に確認していく必要があります。提出書類は全て中国語(簡体字)で記載することを求められ、履歴事項全部証明などの日本語や英語の外国文書については、翻訳を併せて提出する必要があります。

中国における会社設立に必要な書類及び情報 「商業登記證」(Business Registration = “BR”)
「公司註冊證明書」(Certificate of Incorporation = “CI”)

7. 会社設立代行サービス
中国では会社法の改正だけでなく、当局の要求する書類やフォーマットが頻繁に変更されることがあります。こういった状況において、自力で手続きを進めたり、手続きの経験が乏しい現地のスタッフに任せたりすることは、書類の再提出や不認可といったことに繋がり、事業計画に大きく影響を及ぼすことにもなりかねません。経験豊富な専門家と確認を取りながら進めていくことをおすすめ致します。
弊社は、中国9つの拠点(北京、大連、青島、上海、武漢、常州、深セン、広州、東莞)と17年以上の実績を有し、中国全土における会社設立をサポートしております。各地の政府機関が要求するフォーマットに合わせた書類の作成やスケジュールに従った手続きの遂行といった手続き代行サービスだけでなく、会計事務所として培ってきた財務コンサルティングのノウハウを活かした現地法人の事業計画サポートまで幅広く対応しております。どうぞお気軽にお問い合わせ下さい。